2012年06月

猪名川天文台(2012/6/17)

日曜日に大野山の猪名川天文台へ行って来ました。
到着してすぐに気が付きましたが、山頂の北側にそびえ立っていた鉄塔がなくなっていました。
イメージ 1
先月訪れた時はまだあったのですが、今月に入って撤去工事があったそうです。
以前どんな感じだったかお伝えするために、過去の写真を探してみました。

イメージ 2
これが4年前の10月に撮った写真です。
天文台へ登るスロープの途中から撮影したようです。
写真左側が駐車場なのですが、入口付近にある黒い物体が甲南大学のチェレンコフ放射望遠鏡で、その左側にその観測設備を収めたプレハブが建っています。
中央の小高くなっているところが大野山頂で、写真では端の方しか写っていませんが右下側がキャンプ場です。
この鉄塔のある設備はNTTのアナログテレビ中継回線用の建物で、この場所へ登って来る道路もこの建物のために建設されたものだそうです。
現在、放送局間の通信はデジタルデータになって光ファイバーで送信されるので必要なくなりました。
白い建物も解体される予定だそうです。

イメージ 3
1枚目の写真も見ていただけるとわかりますが、山頂と天文台周辺の斜面にはあじさいが植えられています。
見頃は7月上旬だそうですが、今年は暖かいのかすでに蕾がほころんでいる株がありました。

イメージ 4
到着したのは16時過ぎ頃だったので天文台で太陽を観望しようと思ったのですが、雲があったため見られませんでした。
それならばと美しい夕焼けを期待したのですが、ご覧のとおりかなりショッボイものでした。
天文台のある場所からは東側を覗いて270度のパノラマが望めるので、素晴らしい夕焼けが見られることがあるのですが、この日は地平付近に分厚い雲があったためダメでした。
それでも暗くなってからは南側の雲が少し切れてきたので、天文台の望遠鏡で土星と少接近を過ぎてかなり小さくなってしまった火星を見せてもらいました。

帰りは少し寄り道をして篠山市まで蛍を見に行きました。
イメージ 5
オートフォーカスで撮影したのでピントが微妙です。

イメージ 6
私は街育ちなので野生のホタルの群を見るのは初めてです。
写真では緑色に写っていますが、淡い光のなので肉眼では白い光に見えるのですね。

SAO合成に挑戦

9日の晩は夜中から少し晴れそうな予報だったので、少し前に手に入れていたものの試す機会がなく眠っていたナローバンドフィルタでの撮影をしてみました。
Hαフィルタは以前から持っていたのですが、今回新たに加わったのはSIIとOIIIです。
それでSAO合成なるものに挑戦してみたのですが、ご覧のとおりの結果となりました。
イメージ 1
M16
Vixen R200SS(f=800mm) + Vixen コマコレクター3
Vixen SXP
Canon EOS X2(フィルタレス改造)
+ Astronomik Hα 6nm CCD Filter ISO1600 600sec x 2
+ Astronomik SII CCD Filter ISO1600 600sec x 2
+ Astronomik OIII CCD Filter ISO1600 600sec x 2
Vixen ED70SS(f=400mm) + Starlight Xpress Lodestar Autoguider + PHD Guiding でガイド

そもそもSIIとOIIIの画像がほとんど写っていません。
Hαよりも写りにくいとは聞いていたのですが、露光不足に加えて月明かりに照らされた薄雲なんかにも邪魔されたりして中心部分が何とか確認できる程度にしかなりませんでした。
ナローバンドフィルターといっても月を写すと結構明るく写るので、月の付近や薄雲がある場合は気をつけないといけませんね。

SAO合成はよくわからなかったので、まずそれぞれのフィルタで撮った画像のレベルを大まかに合わせておいて、SIIをR、HαをG、OIIIをBにしてRGB合成しました。
イメージ 2
予想通はしていましたが、Hαが強すぎて緑色のモノクロ写真のようになりました。
そこで、ヒストグラムで見たときのRGB各色の山の左側がそろうようにしながら、幅が4:1:2くらいの割合になるように調整してみたのが最初の画像です。
酷い画像ではありますが、中心部はなんとなく雰囲気が出てきたのでこのくらいにしておきました。
背景の色がおかしいのは、薄雲が写り込んでいる影響もあるかと思いますがよくわかりません。

今回使用したフィルタたちです。左からHα、SII、OIIIです。
イメージ 3
例によってカメラレンズでもピントが出るようにクリアフィルタを両面テープで貼り付けてあります。
(うちの改造X2は内臓フィルタを外しただけなので、外した厚み以上のフィルタを間に挟まないと無限遠でピントが合いません)

Hαは半値値6nm、SIIとOIIIは半値値12nmです。
AstronomikのナローバンドフィルタはHαについては6nmと12nmの2種類ラインアップされていますが、SIIとOIIIは12nmしかありません。
SIIとOIIIは暗いので通過幅が広いほうが扱いやすいのではないかと思っています。

今回は合成元の画像がダメダメだったので酷い画像になりましたが、次回はもう少し時間をかけて撮影したまともな画像で挑戦してみます。

金星の日面通過

今日は金星の日面通過がありました、
撮影されたり観望されたりした方は多かったと思います。
私は仕事が休めなかったので、9時過ぎ頃日食グラスで観望し「左上くらいに黒い点があるかな?」と思ったことだけでした、

それだけというのも寂しいので、家族に頼んである機材使って携帯電話のカメラで撮影してもらいました。
その写真がこれです。
イメージ 1
第3接触前の金星です。

その「ある機材」とはこれです。
イメージ 2
ソーラースコープ グループ用です。

これはなかなかの優れ物でどんな人でも1分以内に設置して太陽の黒点観察などが出来ます。
慣れれば10秒で観測可能です。

イメージ 3
内側はこんな感じです。

突き出ているオレンジ色の筒先についた37mmのアクロマートレンズで集めた光を手前の金属部分についている凸面鏡で反射しオクの白い部分に投影します。
なかなかの優れ物ではあるのですが、国内販売の価格はちょっと引いてしまいそうな額なので手を出さずにいました。
ところが先日ドイツの望遠鏡屋さんから部品を購入する際に見つけたので一緒に購入しました。
価格は40EURくらいだったと思います。
梱包が大きくなってしまったので送料が10EUR上がってしまいましたが、それでも納得の行く価格でした。
紙製なので耐久性が心配ですが、単純な構造だし重要な部分には金属やプラスチックが使ってあるので作りなおすことも可能かなと思っています。

ATSUJIRODESUさんが撮影したSh2-27

先日大野山へ遠征した際に、ゆたさんからATSUJIRODESUさんが撮影したSh2-27の画像を渡され、あなたも画像処理に参加しなさいとのご要請を賜りました。
ATSUJIRODESUさんが撮影した画像をゆたさんが処理するという企画があって、面白そうなことをしているなと傍観者を気取っていたのですが、自分にそれが回ってくるとは思いもよりませんでした。
はっきり言いまして人様の画像をいじれる程の腕はありませんので参加するのは辞退したいところですが、ほかならぬゆたさんからのご要請なので僭越ながら処理させて頂くことにしました。

イメージ 1
結果として私の腕ではこのくらいが限度でした。
HαとRGBの混合する比率を色々試してみたのですが、なかなか上手く行きません。
この画像も若干カラーバランスが崩れています。

イメージ 2
RGBを強調してみてみると、ご覧のようにほとんど赤い部分が写っていません。
今までHαとRGBの合成をしたことはありましたが、赤い部分がある程度写っていて淡い部分を補完する形で少しだけHαを混ぜるといったことをしただけでした。
色々と試行錯誤しましたが、結局次のように処理しました。
(1) Hα画像をRGB分解してRのみを取り出す。
(2) RGB画像をRGB分解してRを(1)の画像に入れ替えてRGB合成し、カラーバランスを整える。
(3) RGB画像をモノクロ変換し(1)の画像を80%加重平均合成する。
(4) (2)と(3)の画像をそれぞれトーンカーブ調整した後、(3)をLとし(2)をRGBとしてLRGB合成する。
(5) (4)の画像の彩度、カラーバランス、トーンカーブを微調整する。

頂いた画像データで気がついたことなのですが、各色8bitのTIFF形式となっていました。
D40は12bitのはずなので、階調が4bit分、つまり64分の1に圧縮されていることになります。
階調の減少は強調処理した時にトーンジャンプの原因になりますので、もしこのファイルがATSUJIRODESUさんが画像処理する際の中間ファイルなのだとしたら、16bit形式で保存することをお薦めします。

あともう一つ気がついたのは、HαとRGBでは画像の倍率が少し異なるようで単純には重ね合わせすることができませんでした。
単純な望遠鏡の場合フィルタを挟むことによって焦点を結ぶ位置が前に移動するようになりますが、焦点距離は変わらないはずです。
撮影に使用されたのがカメラレンズなのでズーム位置がずれてしまったのか、インナーフォーカスのレンズなので焦点位置が変わると焦点距離も変わってしまうのかはよくわかりません。
今回の処理ではHα画像を横幅3008ピクセルから2986ピクセルになる程度まで縮小してから処理しました。

M57とM27も再処理してみました

M63を再処理したついでにM57とM27も再処理してみました。
といってもこちらは手順に問題がなかったので、あまり変わっていません。

イメージ 1
M57 環状星雲
Kyoei C8 EX(f=2032mm) + Vixen コマコレクター3 + Kenko デジタルテレプラスPRO300 1.4x DGX (合成f=2845)
Vixen SXP
Canon EOS X2(フィルタレス改造) + Astronomik Luminance Filter ISO800 360sec x 6
Vixen ED70SS(f=400mm) + Starlight Xpress Lodestar Autoguider + PHD Guiding でガイド

イメージ 2
M27 亜鈴状星雲
Kyoei C8 EX(f=2032mm) + Vixen コマコレクター3 + Kenko デジタルテレプラスPRO300 1.4x DGX (合成f=2845)
Vixen SXP
Canon EOS X2(フィルタレス改造) + Astronomik Luminance Filter ISO1600 240sec x 6
Vixen ED70SS(f=400mm) + Starlight Xpress Lodestar Autoguider + PHD Guiding でガイド

明部と暗部の階調を見直し背景の微光星も見えるようにしてみました。
露出時間はともかく、この3倍くらい枚数がほしいですね。

M63再処理

昨日アップしたM63の写真ですが、処理に手違いがあったことがわかったので再処理しました。
その手違いとは。ダークをコンポジットしてから減算しているのですが、そのダークにM57の試しどりカットが混入していたのです。(←バカです。笑ってやって下さい。)
黒抜けしている云々と記述しましたが、いくらなんでもこんな大きな点が抜けるのはおかしいと思い、見直していたら星が薄く写っている写真が見つかりました。
レベルをいじってみると、なんと、うっすらとM57が浮かび上がってくるではありませんか。
いやあ驚きましたね。人間疲れていると何をするかわかりません。
露出時間を見ればおかしいことに気づくはずなのですが。
ということで黒い抜けはM57のカットに写った星でした。

イメージ 1
M63
Kyoei C8 EX(f=2032mm) + Vixen コマコレクター3 + Kenko デジタルテレプラスPRO300 1.4x DGX (合成f=2845)
Vixen SXP
Canon EOS X2(フィルタレス改造) + Astronomik Luminance Filter ISO1600 1200sec x 4
Vixen ED70SS(f=400mm) + Starlight Xpress Lodestar Autoguider + PHD Guiding でガイド

皆さん画像処理は慎重に進めましょう。
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