2012年05月

砥峰高原(2012/5/26)

土曜日に砥峰高原へ行ってきました。
この日も休日出勤だったので、車に機材を積んで出勤しました。
仕事が終わって腹ごしらえをし、GPVを見ると北の方は一晩中雲量10~20%程度、その南側は23時頃から0%となっています。
砥峰高原はギリギリ北の方に入っていて、備前市の有名な場所なら南の方になります。
移動距離はほぼ同じで北に移動するか西に移動するかの違いだけなので迷いましたが、この日のGPVの予報は更新される度にころころ変わっていたし、帰りの移動距離も考えて砥峰高原に決めました。
20時頃に到着してみると一面の曇り空でしたが、30分程すると雲が切れていき21時頃には雲はなくなりました。

今回はC8の焦点距離をさらに伸ばして使い物になるか試してみました。
まず、空の高いところにあったM63を撮影しました。

イメージ 1
M63
Kyoei C8 EX(f=2032mm) + Vixen コマコレクター3 + Kenko デジタルテレプラスPRO300 1.4x DGX (合成f=2845)
Vixen SXP
Canon EOS X2(フィルタレス改造) + Astronomik Luminance Filter ISO1600 1200sec x 4
Vixen ED70SS(f=400mm) + Starlight Xpress Lodestar Autoguider + PHD Guiding でガイド

やはり気温10度弱でISO1600の20分は無理がありました。ノイズだらけです。
当然ダークも合わないので、ところどころ黒抜けしています。
おまけに、画像処理で少しごまかしましたが、星が流れてしまっています。
F14ともなると相当暗く20分でも露出不足気味です。
氷点下での長時間露出か、高感度の冷却カメラが必要でしょうか。

イメージ 2
M57
Kyoei C8 EX(f=2032mm) + Vixen コマコレクター3 + Kenko デジタルテレプラスPRO300 1.4x DGX (合成f=2845)
Vixen SXP
Canon EOS X2(フィルタレス改造) + Astronomik Luminance Filter ISO800 360sec x 6
Vixen ED70SS(f=400mm) + Starlight Xpress Lodestar Autoguider + PHD Guiding でガイド

M63を撮ったあと全天曇りになりましたが、1時間弱で再び雲はなくなりました。
焦点距離が長くて暗いので明るい対象ということでM57を撮ってみましたが、やはり小さいですね。
これでも惑星状星雲の中では大きい部類に入るので、小さな惑星状星雲の撮影は私に機材では無理でしょう。

イメージ 3
M27
Kyoei C8 EX(f=2032mm) + Vixen コマコレクター3 + Kenko デジタルテレプラスPRO300 1.4x DGX (合成f=2845)
Vixen SXP
Canon EOS X2(フィルタレス改造) + Astronomik Luminance Filter ISO1600 240sec x 6
Vixen ED70SS(f=400mm) + Starlight Xpress Lodestar Autoguider + PHD Guiding でガイド

薄明まで30分くらいになってしまったので、天頂付近にある明るめの対象としてM27を撮影しました。
露出が足りないのではないかと思っていましたが、意外とまともな感じになりました。

イメージ 4
はくちょう座 デネブ~サドル付近
SIGMA APO 70-200mm F2.8 EX HSM (70mm F4.0で撮影)
Vixen GP2ガイドパック
Canon EOS X2改 + Astronomik Luminance Filter ISO800 600sec x 10

このレンズを使うといつも星の周りにハロが出てしまいます。
ピント位置の調節で軽減できると思うのですが、カメラ本体の液晶表示では確認しづらいので今度パソコンをつないでじっくり試してみるつもりです。

イメージ 5

この日は気温が8度前後、湿度はこの場所にしては低めでほぼ無風、季節がら透明度は低めで眠たい感じの空ではありましたが、いて座からカシオペア座付近まで天の川が見えていました。
普段1時間に1台くらいは通る車が22時以降まったく通らず、動物の鳴き声もなかったので静かな夜でした。
月の無い週末は3週間後で梅雨入りしているかも知れないと思い少し無理して撮影に出掛けたのですが、やはり体力の限界というものはあるようで日曜日は一日寝込んでいました。
梅雨入り前に天気に恵まれてよかったと思います。
次の撮影は7月下旬になるのでしょうかね。

帰り道、麓まで降りる途中で斜面を2匹のタヌキが下りてくるのが見えたので車を止めて見てみました。
1匹は先に下りて側溝の中にもう1匹は斜面の途中で、どうしようか迷っているようでした。
しばらくすると斜面のタヌキがもう1匹の方を振り返りつつ斜面を登っていき、側溝の中のタヌキも反対側へ走っていきました。
道を横切る姿は何度か見たことがありますが、じっくり見たのは初めてでした。

日食(2012/5/21)

月曜日は金環日食でした。
ずいぶん前からこの日は休みを取って、どこかへ撮影&観望しにいこうと計画していました。
しかし進捗状況が芳しくなく、新たな作業が発生したりして休みを取っている場合ではなくなりました。
それでも当日晴れたら自宅付近で出勤前に撮影しようと、心づもりだけはしていました。

そして当日、朝5時過ぎに起きて窓の外を見ると、雲はあるものの太陽が見えているではありませんか。
急いで出勤準備をして食事をし撮影機材をかき集めたんですが、ここで問題が一つ。
使おうと思っていたポルタ経緯台のネジが弛んでいて使えません。
工具を探している時間がないのでAOK AYO経緯台+HAL三脚に前回の日食時に観望用に使ったアストロソーラーフィルタを着けたED80Sを載せました。
この機材を担いで余り遠くまでは行けないので自宅から50mほど離れた道端で撮影することにしました。
ちょうど向かい側の家の屋根の上あたりに見えていて、電線が少し邪魔だけど少し動かせば何とかなりそうです。

そして日食開始の時間が来たのですが、お日様は雲の中にお隠れになりました。
西側は快晴なのに、南東側からちょうど太陽のある辺りまで厚い雲が覆っています。
しばらく待っていると、雲が少し引いて太陽が見えてきたので撮影を開始しました。

イメージ 1
6時43分
Vixen ED80S(f=720mm) + バーダープラネタリウム アストロソーラーフィルター 眼視用 ND-5
AOK AYO
Canon EOS X4 ISO100 1/320sec

事前に練習していなかったので太陽の撮影は初めてなのですが、直接望遠鏡のファインダを覗くわけにはいかないので導入に苦労しました。
いろいろ試行錯誤していると、フィルタを着けていないファインダの接岸部の先に手をかざし、動かして影が小さくなり真ん中に光が来るようにすればファインダ内に太陽が入ることがわかりました。
その状態で対物側に日食メガネをかざせば楽に導入できるようになりました。

イメージ 2
7時00分 ISO100 1/500sec

イメージ 3
7時05分 ISO100 1/320sec
眼視では気付きませんでしたが、写真にはやはり雲が写っています。
こうやって見ると5分間で結構欠けていますね。

7時を過ぎたので大急ぎで家に戻り、機材を置いて駅に向かいました。
駅では改札前のコンコースで日食観望している人がたくさんいましたが、時間がギリギリだったのでそのまま改札を通って電車に飛び乗りました。
この日はいつも使っている線とは別の線の駅まで自転車で行くことで30分ほど時間を確保しました。
そして、その駅で金環5分前の太陽を1分だけ眺めるつもりだったのですが、機材の始末に手間取ったのと、先日に入れておいた自転車の前輪タイヤの空気がかなり減っていてスピードが出なかったのと、駐輪場の券売機がなかなか千円札を吸い込んでくれなかったため、一瞬でも見る時間がありませんでした。
後から聞いたところによると、最大食の少し前に雲で隠れて直前に雲から出てきたようです。

太陽の画像処理も初めてですが、黒点以外にも模様が写っていて、白色光での撮影も結構面白いものだと思いました。
次は6月4日の部分月食はパスして6月6日の金星日面通過ですが、天気はどうでしょうか?
休みは・・・  うーん、やっぱりキャンセルかなぁ。

大野山(2012/5/12)

土曜日の朝のこと。
この日も休日出勤でしたが、GPVを見てみると夕方から晴れそうなので、機材を積んで車で出勤して帰りに砥峰へと考えたのですが、このところ天気が不安定なのでやめにしました。
夕方までに予報が変わらないようなら大野山あたりへ行ってフィールドでのC8のガイドテストでもしようかと思い、ゆたさんにお誘いをかけて出勤しました。
昼頃、ゆたさんから「ビミョーな予報ですね」というメールのお返事が来てGPVを見ると、絶望的だったので今日は無理だなと思いました。
ところが、夕方仕事を終えて帰宅しゆっくりしていると「出発しました」のメールが。
こちらから誘いをかけておきながら行かないわけにはいかないので、あわてて機材を積んで出発しました。

9時頃到着してみると、一面の曇り空。
この場所へ来るのは1月以来です。
まだ稲川天文台が開館している時間だし、久しぶりに来たのだからご挨拶をしておかないとと思い、天文台に上がって館長さんや常連さんとお話をしていると雲が切れてきました。

早速準備をして撮影開始したのですが、風があって時々強く吹くので、なかなかガイドが安定しません。
おまけに湿度が高く、フード以外の結露対策をしてなかったので。補正板がすぐに曇ってしまいました。
とりあえずドライヤーでくもりをとって撮影しましたが、2枚目以降は諦めて放置しました。

イメージ 1
M82
Kyoei C8 EX(f=2032mm)
Vixen SXP
Canon EOS X2(フィルタレス改造) + Astronomik Luminance Filter ISO400 300sec x 5
Vixen ED70SS(f=400mm) + Starlight Xpress Lodestar Autoguider + PHD Guiding でガイド

風があったので星の形がいびつになっています。
12枚撮影したのですが、結露のため枚数を重ねるごとに暗くぼやけていき使えたのは5枚だけでした。

風が止んでいる時はガイドは非常に安定しているのですが、吹き出すととたんに荒れてしまいます。
この日は鏡筒の表面が結露で汗をかくくらい湿度が高く、撤収時に機材を拭いたタオルが搾れるほどでした。
これくらい湿度が高いと、おそらく補正板付近にヒーターを巻いていても結露は免れないと思います。
やはりこの赤道儀でC8を使うには、風が無く湿度が低いという条件にあった時しかダメなようです。
C8に着けるヒーターは作ったあるので今度どれくらい効果があるか試してみようと思っています。

C8の撮影テスト

金曜日の晩10時過ぎ、翌日は休日出勤なので早めに寝ようかなとしていたところ、「急ですが、あすは休みになりました。」というメールを受け取りました。
おおっ、今年のゴールデンウィークは2連休+2連休の4日間になったよ、ラッキー。
と喜んだのですが、冷静になってみるとただの週休のままやん。
うーん、いけませんね。このところ忙しくて週休1日状態になっているので感覚がおかしくなっています。

ということで、就寝は取りやめて自宅でC8の撮影テストをしました。
先日のテストでは中央部以外の星にかなり収差が出ていましたが、黒ひげさんからコマコレを使うと収差が激減するとの情報を頂いたので早速試してみました。
まずはR200SSのコマコレをC8の接眼部に接続するためのリングを用意しなければなりません。
手持ちのリングで何とかならないか色々考えた結果、以下の様な組み合わせになりました。
イメージ 1
左からBORG シュミカセ→M57/60AD(7424)、BORG M60→M60AD(7460)、Vixen VC用延長チューブ、Vixen コマコレクター3、Vixen 直焦ワイドアダプター

C8用のTアダプタ+Tリングを使った時より少し焦点位置が外側になるので、若干焦点距離が伸びるとは思いますが、この程度だと殆ど変わらないでしょう。

イメージ 2
M3
Kyoei C8 EX(f=2032mm) + Vixen コマコレクター3
Vixen SXP
Canon EOS X2改 + Astronomik Luminance Filter ISO1600 180sec x 1
Vixen ED70SS(f=400mm) + Starlight Xpress Lodestar Autoguider + PHD Guiding でガイド

とりあえず、先日と同じM3を撮影してみました。
少しわかりにくいですが、コマ収差はほとんどなくなっています。

この日も時々微風が吹く程度でほとんど無風で、オートガイドも動作しているのか心配になるほど安定していました。
イメージ 3

満月近くの大きな月が出ていましたが、光害カット用としてAstronomik CLS CCDを着けて銀河を撮影してみました。
イメージ 4
M63
Kyoei C8 EX(f=2032mm) + Vixen コマコレクター3
Vixen SXP
Canon EOS X2改 + Astronomik CLS CCD Filter ISO1600 600sec x 6
Vixen ED70SS(f=400mm) + Starlight Xpress Lodestar Autoguider + PHD Guiding でガイド

うーん、光害地の真ん中で月がある日に銀河の撮影は無理があったようです。

月も傾いてきたし、次に明るめの対象ということでM17を撮ってみました。
イメージ 5
M17
Kyoei C8 EX(f=2032mm) + Vixen コマコレクター3
Vixen SXP
Canon EOS X2改 + Astronomik CLS CCD Filter ISO1600 240sec x 8
Vixen ED70SS(f=400mm) + Starlight Xpress Lodestar Autoguider + PHD Guiding でガイド

さすがに明るい対象だけあってよく写りますね。
高感度で撮った上、何故かダークが合わずノイズが酷かったので背景を暗く処理してみたら結構迫力ある感じになりました。

コマコレをつけた事でコマ収差はほぼ無くなったようですが、周辺部の星の形が崩れています。
光軸があっていないのか、スケアリングの問題か解りませんが、今ここのあたりが何とかならないか考えてみたいと思います。
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