2012年01月

なんちゃってL-RGB合成

この週末も天気が良くなくて撮影に出かけることができませんでした。
体調も今ひとつ良くないので家にこもっていましたが、暇なので過去に撮った画像で遊んで見ることにしました。
で、何をしようかと思っていたところ、mebukijikaさんがHα画像とカラー画像でL=RGB合成に挑戦されていたのを見て興味が湧いたので、私もやって見ることにしました。
しかし、以前に撮影したものを漁ってみたところ、同じ対象を同じ焦点距離で撮影したカラー画像とHα画像がなかったのでカラー画像から擬似的にすることにしました。

素材は昨年9月に砥峰高原で撮影した三日月星雲です。
イメージ 1

まずこの画像をステライメージでRGB分解してRの画像をL画像とします。
そして、トーンカーブの調整をして赤い星雲がよく見えるようにします。
L-RGB合成というのは、このL画像に色を付けるということだと思うので、この画像は見せたいところを強調するようにしました。
イメージ 2

次に元画像のままでは色が薄くなってしまうので、Lab色彩調整で彩度を1.4倍に強調しました。
イメージ 3

そして、これらの画像をL-RGB合成しました。
イメージ 4

なんか雰囲気が変わりましたが、いい感じです。
少し変なところはありますが、上手いこと赤色だけが強調されている割にそこそこ自然な感じに出来ました。
これは、赤くて淡い星雲をあぶり出す手段として使えそうな気がします。
たまには、こんな馬鹿なことをやって遊ぶのも面白いですね。

ASCOM sphinx ドライバー Windows7 64bit にインストール完了

昨日インストールに失敗したsphinxドライバーですが、なんとか64bit環境で動作するようになりました。
調べてみたところこのドライバはVisual Basic Ver6で作成されたActiveX形式のdllファイルということがわかりました。
VB6ならランタイムがWin7には入っているはずなので、コピーしてきてレジストリ登録をしてやれば動くだろうと思ってやってみました。
多少手間取りましたが手順を書いておきます。
 
まずWindowsXPにインストールしてある環境から次のファイルをコピーします。
C:\Program Files\Common Files\ASCOM\Telescope\Sphinx Driver.dll
C:\Windows\System32\MSINET.OCX

コピー先はそれどれ以下のとおりです。
C:\Program Files (x86)\Common Files\ASCOM\Telescope\Sphinx Driver.dll
C:\Windows\SysWOW64\MSINET.OCX
 
そしてそれぞれコマンドラインから次のコマンドでActiveXのレジストリ登録をします。
C:\Windows\SysWoW64\regsvr32.exe "C:\Program Files (x86)\Common Files\ASCOM\Telescope\Sphinx Driver.dll"
C:\Windows\SysWoW64\regsvr32.exe C:\Windows\SysWOW64\MSINET.OCX
 
次にWindowsXPでレジストリエディタを起動(コマンドラインでregeditを実行)して、次のキーを選択しエクスポートでファイルに保存します。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\ASCOM\Telescope Drivers\Sphinx.Telescope
 
そしてそのファイルをWindows7の適当なところにコピーしてきてメモ帳で開きます。
次のような行があるはずです。
[HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\ASCOM\Telescope Drivers\Sphinx.Telescope]
[HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\ASCOM\Telescope Drivers\Sphinx.Telescope\Settings]
 
それらの行をそれぞれ次のように変更します。
[HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Wow6432Node\ASCOM\Telescope Drivers\Sphinx.Telescope]
[HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Wow6432Node\ASCOM\Telescope Drivers\Sphinx.Telescope\Settings]
 
保存したらダブルクリックしてファイルの内容をレジストリに追加します。
 
以上でsphinxドライバーは使えるようになりました。
 
イメージ 1
 
早速、SXDにパソコンを接続してCartes du Cielから自動導入の操作をして見ましたが問題なく動作しました。
これでやっと、ひと通りのソフトがインストールできました。
あとは実際に動作させてガイド撮影のテストをするだけですね。
問題が発生しなければいいんですが。
 
インストールの方法についてもう少しスマートな方法がわかったので追記します。
まずSphinx Driver.dllとMSINET.OCXをコピーしてきて適当なフォルダに置きます。
次のようなバッチファイルを作成して同じフォルダに置きます。
名前はsphinx.batとでもしておきましょう。
 
----------(ここから)----------
@ECHO OFF
REM cmd.exeが64bit版で動作している場合、64bit版を起動する
IF "%PROCESSOR_ARCHITECTURE%" NEQ "x86" (
    C:\Windows\SysWOW64\cmd.exe /C %0
    EXIT
)
 
REM ドライバと必要なファイルをコピーする
COPY "Sphinx Driver.dll" "C:\Program Files (x86)\Common Files\ASCOM\Telescope\."
COPY MSINET.OCX C:\Windows\SysWOW64\.
 
REM ActiveXのレジストリ登録をする
regsvr32 /s "C:\Program Files (x86)\Common Files\ASCOM\Telescope\Sphinx Driver.dll"
regsvr32 /s C:\Windows\SysWOW64\MSINET.OCX
 
REM ASCOMのレジストリ登録用のスクリプトを作成する
ECHO Set x = CreateObject("Sphinx.Telescope") >  SphinxSetup.vbs
ECHO x.SetupDialog                            >> SphinxSetup.vbs
ECHO Set x = Nothing                          >> SphinxSetup.vbs
 
REM スクリプト実行
CScript SphinxSetup.vbs
 
REM スクリプトファイル削除
DEL SphinxSetup.vbs
----------(ここまで)----------
 
作成したバッチファイルをダブルクリックします。
すると、sphinxドライバの設定画面が表示されます。
設定画面のOKボタンを押して画面を消去すれば終了です。
レジストリ等を一度削除して動かしてみましたが、うまく行っているようです。
 
64bitのOSについては知識が不十分だったので、regsvr32やCScriptに32bit用と64bit用がそれぞれあることがわかっていませんでした。
まあ、少し考えたら当たり前の話なのですが。
ASCOMのドライバはActiveXのオブジェクトを生成しさえすれば、レジストリに情報が書き込まれてドライバ選択の一覧に表示されるようになるのですが、32bitモードで動作するActiveXのdllを64bitのスクリプトで生成しようとしたためうまくいかなかったわけです。

PHD Guiding 1.13.0

現在、新しいOS上で撮影用の環境を構築中ですが、いつも使用しているガイドソフトのPHD Guidingもバージョンが1.13.0になっていたのでインストールしてみました。
このソフトは元々設定項目が少なめなのですが、バージョンアップして項目が増えていました。
イメージ 1
これまで使っていたバージョンは設定画面の項目が一列だったのですが二列になっていました。
相変わらず設定項目の意味がよくわかりませんが、とりあえず増えた項目は規定値のまま使用してみる事にします。
 
ASCOMのsphinxドライバーを経由してガイドしているので、ASCOMプラットフォームも最新版が6になっていたのでそれを入れました。
そしてsphinxドライバーをインストールしようとしたところで問題が発生。
インストーラがエラーを起こしてインストール出来ません。
互換モードとか色々試してみましたがダメでした。
うーん、これがないとCartes du Cielでの導入もできないしリレーボックスも持っていないのでガイドもできません。
最悪OSをXPにするという手もありますが、もう少し粘ってみることにします。

Carutes du Ciel

撮影するとき自動導入と画角の決定をフリーソフトのCarutes du Cielを使用してやっています。
パソコンとSTAR BOOKをLANケーブルで接続しASCOMのsphinxドライバーを経由して赤道儀を制御しています。
最近パソコンのOSが64bitになったので、最新バージョンをインストールしてみました。
 
イメージ 1
最新バージョンは3.4.1になっていました。
このソフト、元々日本語の言語ファイルが用意されていなかったので前のバージョンを使用していたときは自分絵言語ファイルを作ったのですが、そのファイルをそのまま持って行くとやはりうまく行かなかったので、面倒だったけど手作業で新しいファイルを作り直しました。
ところどころおかしな日本語になってしまっているけど、自分しか使わないのでまあいいかと思っています。
 
イメージ 2
前のバージョンでは天体の情報ウィンドウは文字だけでしたが、このバーッジョンでは画像があれば表示されるようになっています。
撮影対象を探すのに少し便利かもしれません。
 
イメージ 4
彗星や小惑星の軌道情報はMPCからダウンロードできるので彗星の導入をするのに便利でしたが、このバージョンでは人工衛星の軌道も表示できるようです。
しかし、人工衛星の軌道情報の入手方法がわからないので今のところ使用出来ていません。
 
気がついた変更点はこんなところですが、天体リストに惑星名が日本語表示されて時に文字化けしていたのがなくなったり等、色々と改善されているようです。
 
今までどういうふうに使っていたかというと、ASCOM経由でSXDに接続して天体を選択し、導入します。
イメージ 3
SXD赤道儀に接続していると写野の枠が自動で追尾してくれるので、STAR BOOKのコントローラーで微調整します。
その後試し撮りして実際の写野が表示されてるものと同じか確認します。
違っていたらズレを頭に入れて微調整しします。
 
いつもこんな感じで画角を決めて撮影しています。
このソフトと自動導入に完全に頼りきっているので、これがないと撮影できなくなってしまいます。
 
イメージ 5
画角の枠はこんな感じで幅と高さを分角単位で設定すると表示されるようになります。
ここでは一つしか設定していませんが、カメラレンズとかでどのくらいの範囲が写せるのか確認するのにも使っているので複数登録して使っています。
私はオフアキのオフセット角を調べていないので使ったことはありませんが、オフセット角の設定もできるのでオフアキのオフセット角と画角を登録すればガイド星を探すのに便利かもしれません。
設定する値は撮像素子のサイズと望遠鏡の焦点距離がわかっていれば逆三角関数を使って計算できます。
計算式は arctan(撮像素子の幅÷2×焦点距離)×2 のような感じで計算しています。
専門的なことはよくわかりませんが、これで計算して問題ないので多分合っていると思います。
Excelなんかの表計算では次のような数式を書いたら値が出てきます。
DEGREES(ATAN(撮像素子の幅 / 2 / 焦点距離) * 2) * 60
 
彗星と小惑星のデータ取得についてコメントがありましたので追記します。
これらのデータは設定画面からダウンロード出来ます。
メニューで[設定]-[太陽系](英語では[Setup]-[Solar Syatem])を選ぶとダイアログが表示されます。
イメージ 6
ダイアログの[彗星]タブ([Commet]タブ)を選択し[MPCファイル読み込み]タブ([Load MPC format file]タブ)を選択すると表示されるダウンロードボタンを押してダウンロードします。
小惑星も[小惑星]タブ([Asteroid]タブ)を選択して同じようにダウンロードします。
小惑星の場合はダウンロード後、月別データの計算を要求されるので指示に従います。
 
ダウンロードするとカレンダーで予想等級の表示や、天体の検索でヒットするようになります。
データは小惑星センター(Minor Planet Center)からダウンロードしているので発見されたばかりの彗星も表示することが出来るようです。

ついでですが、惑星や彗星の動きのシミュレーション表示も設定画面から指定できます。
イメージ 7
メニューで[設定]-[日付/時刻]([Setup]-[Date / Time])を選ぶと表示されるダイアログで[シミュレーション]タブ([Simulation]タブ)で設定します。
ただこの機能は結構重たいのであまり使っていません。

皆既月食アニメ

12月10日に大野山で撮影した皆既月食の写真をアニメーションにしてみました。


天体用改造カメラで撮影したのと撮影時の露出設定があまりよくなかったので、処理するのに時間がかかってしまいました。
各コマのレベルを出来るだけ合わせるようにしたのですが、一部おかしくなっているところがあります。
考えてみるとまともに月を撮影するのは初めてで、何の準備もせずに連続撮影したのが間違いでした。
5月の金環日食の撮影には事前の撮影練習もしておかないといけませんね。
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